旬の味覚を月ごとにご案内する【食の歳時記】。3月は、「春キャベツ」「独活(うど)」「いちご」「はまぐり」の4つの食材について、選び方や保存方法、調理のポイントなど、これから活躍する食材をよりおいしく食べていただくための情報をご紹介します。また、旬の味覚を堪能していただくためのレシピ特集「季節を食べよう」では、「春キャベツ」「はまぐり」を使った2レシピをご紹介! 3月のおすすめレシピをぜひお試しください。
●選び方・見分け方
葉の巻きがゆるやかで、みずみずしいものを選びましょう。
※春キャベツ以外は、葉がしっかり巻いていて重量感のあるものが良品です。
●保存方法
丸ごとの場合は芯をくり抜き、そこに濡らしたキッチンペーパーを詰め、ポリ袋に入れます。切ったものは、切り口が空気に触れないようラップで包みます。
どちらも冷蔵庫で保存しましょう。
●健康や美容への効果
ビタミンCが豊富です。また、胃酸の分泌を抑えたり、胃の粘膜の修復を助けたりするビタミンUを多く含みます。
●調理のポイント
やわらかい葉を味わえ、ビタミンCやUを上手に取れるサラダなどの生食や、汁ごといただけるスープ、煮込みがおすすめです。
●選び方・見分け方
茎が白くてうぶ毛が全体に密についていて、触れると痛いくらいのものが新鮮です。太くてまっすぐ伸びているものを選びましょう。
●保存方法
光に当たらないよう湿らせた新聞紙で包み、冷暗所で保存します。長期保存したい場合は使う状態で切って茹で、小分けにして冷凍保存します。
●健康や美容への効果
ほとんどが水分で、カリウムが多いのが特徴です。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄するため、高血圧予防の効果が期待できます。
●調理のポイント
香りとシャキシャキした食感が持ち味です。皮をむき、酢水で5分ほどさらしてアク抜きをしてから、酢味噌和えやサラダ、揚げもの、炒めものなどお好みの食べ方でお召し上がりください。
●選び方・見分け方
ヘタの近くまで赤く色づき、ヘタの緑色が濃く、乾いていないものが新鮮です。表面のツブツブがはっきししているものを選びましょう。
●保存方法
洗わずにラップで包んで冷蔵庫の野菜室へ。冷凍保存の場合は、ヘタを取って洗い、水気をふき取り、砂糖をまぶすと使いやすいです。
●健康や美容への効果
ビタミンCが豊富です。ビタミンCは抗酸化作用やコラーゲンの生成促進作用を持っているので、免疫力向上、ストレス解消などに効果があります。
●調理のポイント
生食のほか、ジャムやジュース、ゼリーがおすすめです。食べる直前に、ヘタを取らず、流水で5分ほど、振り洗いをします。
●選び方・見分け方
殻の口を固く閉じているもので、表面に光沢があるものが新鮮です。大きすぎず、やや厚みのあるものを選びましょう。
●保存方法
海水濃度と同じ3%の塩水に入れ、冷暗所で2時間ほど置き砂抜きをしてから、殻をこすり洗いし、冷蔵庫で保存しましょう。
●健康や美容への効果
貧血予防となる鉄分や、タウリンが豊富です。タウリンには、動脈硬化や高血圧を予防する効果、肝機能を改善する作用が期待できます。
●調理のポイント
加熱したときに出る汁は、旨味と栄養の宝庫です。この旨味を生かした焼きはまぐりや汁もの、酒蒸しなどがおすすめです。
※はまぐりの2枚の殻のかみ合わせは、対のもの以外とは決して合いません。そのことから夫婦和合の象徴とされ、「はまぐりのお吸いもの」は、ひな祭りにいただく料理の定番のひとつとなっています。
※食材の旬などは、地域や気候などによって異なります。
シャキシャキ、カリカリの食感がおいしい「春キャベツとカリカリベーコンのサラダ」、旨味をたっぷり味わえる「はまぐりのお吸いもの」の2つのレシピをご紹介します。
3月の旬の味を、ぜひご堪能ください。
レシピ監修:管理栄養士・可野倫子先生
春キャベツとカリカリベーコンのサラダ
春キャベツ…150g(3枚)
ベーコン…30g(2枚)
[A]
オリーブオイル…小さじ2
レモン汁…大さじ1
塩…少々
こしょう…少々
❶春キャベツを千切りにし、お皿に盛りつけます。
❷フライパンを温め、油をひかずにベーコンをカリッとするまで炒めます。
❸①の上に、②を盛りつけます。
❹Aを混ぜ合わせたものを、③にかけたら完成です。
★調理のポイント:ベーコンから出た脂は、キッチンペーパーなどでしっかりふき取ると、おいしく仕上がります。
はまぐり…100g(4個)
昆布…0.2g(2cm)
みつば…適宜
水…300ml
酒…大さじ1
しょうゆ(薄口)…大さじ1/2
塩…少々
❶はまぐりは砂抜きをし、流水で洗います。
❷鍋にはまぐり、水、昆布を入れて中火にかけます。
❸はまぐりの殻が開いたら昆布とアクを取り、酒、しょうゆ、塩で調味します。
❹お椀に盛りつけ、みつばを添えたらできあがりです。
★調理のポイント:はまぐりから出るおだしをそのままいただくお吸いものです。殻が開いたら、身が硬くならないよう煮すぎないことが大切です。
このコンテンツは、キッチンを通じた楽しいふれあいの場づくりに貢献するために、食や暮らしに関する情報の収集、調査・分析を行っているクリナップの生活研究部門「おいしい暮らし研究所」が監修をしています。