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【歳時記】5月(皐月)ってどんな月?

古くから受け継がれてきた月ごとのさまざまな慣習や行事について解説する【歳時記】シリーズ。今回お届けするのは「5月(皐月)」について。

この時期になると、大きな鯉のぼりが気持ちよさそうに泳ぐ姿がちらほら……。鯉のぼりが飾られるようになった理由は、実は「登竜門」の語源と同じなのだとか。5月の伝統行事「端午の節句」のいわれなど、この時期の風物詩をご紹介します。

 

【二十四節気】

立夏(5月5日〜20日頃)、小満(5月21日〜6月5日頃)

※二十四節気とは、太陽の動きをもとに1年を24等分したもので、約15日ごとに季節感を表す名前が付けられています。

 

【五節句】

端午の節句(5月5日)

 

【和名】

皐月(さつき)、菖蒲月(しょうぶづき)、月見月(つきみづき)、雨月(うげつ)

 

【草花】

スイートピー

香りの良いえんどう豆を意味し、「麝香(じゃこう)」のような香りがすることが名前の由来だといわれています

 

雛罌粟(ひなげし)

寄せ植えの中段におすすめの花のひとつ。中国の絶世の美女に由来し「虞美人(ぐびじん)草」ともいいます。

※地域や気候などによって異なります。

 

【皐月の行事と過ごし方】

暦上では、「立夏」から「立秋」前までを夏、「立夏」から6月上旬の「芒種」の頃を初夏といいます。この時期は天気が安定し、過ごしやすい日が続き、次第に夏の気配も感じられます。

5月の晴れ渡った空を「五月晴れ」といいますが、これは誤った使い方。旧暦の5月は梅雨であるため、本来は梅雨の時期の晴れ間を指します。

5日の「端午の節句」は、男の子の健やかな成長を願う行事で、昭和23年に「子どもの日」として制定されました。

五節句飾りの鯉のぼりは、池や沼などでも生息できる強い生命力の鯉が激流を登り、竜になったといわれる「鯉の滝登り」の伝説(「登竜門」の語源)を受け、男の子の立身出世や成功を願って飾られる、この時期の風物詩のひとつ。

また、五月人形の金太郎や弁慶、牛若丸などは、厄の身代わりとして強くたくましく立派に育って欲しいとの願いを込めて飾られるものです。

「先手必勝」という言葉から、飾るのは早い方が良いとされていますが、一般的には、春分から4月中旬に飾り、梅雨入り前の天気の良い日に片付けます。

行事食としては、柏餅や粽(ちまき)などをいただきます。柏餅は、新芽が出るまで古い葉が落ちない柏の葉にちなみ、「家系が途絶えない」縁起物のひとつ。

粽は、中国の故事に由来し、災いを除くとされています。粽を結ぶ赤・青・黄・白・黒(紫)の五色の糸は、子どもが無事に育つようにとの魔よけの意味があり、鯉のぼりの吹流しの色にも反映されています。

「端午の節句」は、「菖蒲(しょうぶ)の節句」ともいいます。菖蒲とは、丸く細長い花穂をつけるサトイモ科の植物。強い香りを放つため、邪気をはらうと考えられていました。

菖蒲にまつわる習わしには、束ねて軒先に吊るす「菖蒲ふき」、お酒に浸していただく「菖蒲酒」、枕の下に敷いて寝る「菖蒲枕」、浴槽に浮かべ入浴する「菖蒲湯」などがあります。菖蒲湯は、血行促進や疲労回復に効果があるといわれています。

 

【梅雨入り前の夏支度】

本格的な夏に入る前に、夏支度をしましょう。寒い間使っていた布団は、梅雨入り前のお手入れがポイントです。布団に吸収された汗などの水分は、放っておくとカビやダニの繁殖、においの原因に。

布団の天日干しは、日差しが強すぎると生地が傷みやすくなるため、この時期に干すなら湿度が低くなる午前10時~午後3時頃がおすすめです。

また、衣類の防虫対策も済ませておきたいもの。外出時などに衣類に産みつけられた卵がクローゼットの中でふ化し、虫食いの被害を受けるケースが多いようです。

毛や絹など動物繊維を好むほか、食べこぼしや汗などがついた衣類も栄養源となります。しっかりと汚れを落とし、衣替えに備えましょう。

 

【季節の味覚・一番茶】 

 

八十八夜(5月2日頃)

立春から88日目の「雑節」のことをいいます。八十八は組み合わせると「米」になるため、農事の吉日とされていました。茶摘みは一度摘んでもまた新芽がでてくるため、年に数回この時期から秋までの間に行われます。

その年初めて摘んだお茶は一番茶。摘み取った順に二番茶、三番茶と呼ばれます。一番茶は長寿をもたらす縁起物で、新茶ともいいます。冬の間栄養がたっぷり蓄えられた新芽は、旨味・香味が豊かです。

日本一のお茶の産地である静岡では4月中旬~5月中旬頃、二位の鹿児島ではやや早く4月上旬頃から茶摘みが始まります。

 

おいしいお茶のいれ方

❶急須に茶葉を入れます。(1人分3gを目安にお好みで)
❷沸騰させた湯を人数分の茶わんに入れ、温めます。(これで湯の温度を70~80度程度に冷まします)
❸茶わんに入れた湯を急須に移します。
❹急須にフタをして1分程度待ち、深蒸しします。
❺すべての茶わんのお茶の濃さが均等になるように、少しずつ注ぎます。
❻二服目もおいしくいただけるよう、急須の湯はすべて注ぎます。最後の一滴まで注ぎきることがポイントです。

 

 

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このコンテンツは、キッチンを通じた楽しいふれあいの場づくりに貢献するために、食や暮らしに関する情報の収集、調査・分析を行っているクリナップの生活研究部門「おいしい暮らし研究所」が監修をしています。

 

 

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