仕事を続けながら、子育てに奮闘するワーママ。
「仕事も育児も手抜きしたくない!」と考えてはいても、早起きして食事を用意し、家族を送り出してから掃除に洗濯、そして仕事…と、「1日が24時間じゃとても足りない!」とお悩みのワーママは多いのではないでしょうか。
今回は、週5日フルタイムの仕事をしながら2歳のお子さんを育てる、えいちゃんママさんにお話をうかがいました。結婚後も働き続けたいと考えていたえいちゃんママさんは国家資格を取得。現在は、「精神保健福祉士」の仕事をしています。家事に協力的なご主人と、育児に理解のある職場のおかげで家庭と仕事を両立できていますが、お子さんが“イヤイヤ期”にさしかかったときには時間に追われることも多く、苦労があったといいます。そんな現役ワーママに聞いた暮らしの「時短」アイデア集、ぜひ参考にしてみてください。
【買い物の時短】
買い物は週1回「まとめ買い」
えいちゃんママさんが買い物に行くのは「週1回」だけ。スーパーに行く前に1週間分の献立をイメージしたうえで、あらかじめ必要な食材をメモしておき、その場で考え込まずに済むようにしています。
「とはいえ、想定していた食材がない場合や高くついてしまいそうなことも……。そんなときは安い食材をチェックして、代替メニューをパッと考えますね」
週1回のまとめ買いだけで済ませるために、えいちゃんママさんは野菜が日持ちするよう、保存方法にも気を配っています。たとえば、トマトはへたを取って水気を拭いてから保存したり、葉もの野菜は成長点をくり抜いたところに水の付いたキッチンペーパーを入れておいたり。
また、限られた時間の中で身軽に動けるようにするため、ジュース類など重いものは宅配サービスやネットスーパーを利用して購入するようにしています。
【料理の時短】
フルタイムで仕事をしているえいちゃんママさんにとって、調理時間を捻出するのは至難の業。唯一、食事作りができるのはお子さんが食べているときだけなので、事前の下ごしらえや冷凍保存された食材、便利なキッチンツールが頼りです。
食材は事前にカット、冷凍保存できるメニューは休日に用意
朝の調理時間を30分以内に収めるため、野菜などの食材は前日夜にカットしてプラスチック製密閉容器に入れています。冷凍保存できるハンバーグやピーマンの肉詰めは休日にまとめて作って冷凍しておくそうです。
「2枚のシートで食材を挟む“簡易密閉ラップ”や“食品保存袋”を活用しています。使いやすいよう小分けにしておき、冷凍庫の中を常に整理。どこに何が入っているか一目瞭然にすることで時短につなげます」
市販の冷凍食品や合わせ調味料も時短に一役買っています
「子どもには育児書にあるような手作りメニューを作ってあげたいけれど、物理的にはどうしても難しい」と話すえいちゃんママさん。ミックスベジタブルなど市販の冷凍食品や、安売りのときに購入しておいた合わせ調味料を使うこともあるそうです。こうした食品を用意しておけば手軽に調理ができ、時短や節約のためだけでなく、体調不良などで手の込んだ料理が作れないときにも役立ちます。
便利なキッチンツールを活用し、短時間で作れる献立に
1本でおたまとターナーの2役をするアイテムなど、便利なキッチンツールは忙しいワーママにとって、まさに救世主。洗い物を減らせるこうしたアイテムを駆使して、えいちゃんママさんは短時間でできるしょうが焼き、煮魚、鳥そぼろなどをよく作っているそうです。簡単に切れる玉ねぎや、包丁を使わないで済むしめじをまとめて袋に入れておき、炒めるだけの状態にしておくなど、ほかにも時短の工夫を欠かしません。まな板と包丁を取り出すことなく調理ができるメニューは、多忙なママの強い味方です。
【食器洗いの時短】
調理と同時進行!洗い物の数を減らすのがポイント
「食器は、私が子どもの保育園の準備や仕事の用意をしているあいだに、夫に洗ってもらうことが多いんです」というえいちゃんママさん。なるべく洗い物の数を減らすために、基本的には調理と同時進行で食器洗いをしています。食材を煮ているあいだ、食材に火が通るあいだなど、ちょっとした時間に作業を進めておくそう。
また、多くの調味料を必要としないメニューから先に作り、キッチンペーパーで汚れをぬぐってから同じ調理道具で油もののメニュー作りに移るなど、極力洗い物の数を減らすようにしています。
ほかにも、「大人用のおかずは大皿によそって取り分けるようにする」、「揚げもの料理のときは後片付けが楽になるよう、下に新聞紙を敷いておく」「油が付いた調理道具は別にしてよけておき、汚れが落ちやすいようにつけ置きしておく」など、えいちゃんママさんの時短のアイデアは尽きません。
「油が付いたお皿は、洗う前にアクリル毛糸製のスポンジたわしで汚れをさっとぬぐっておきます。そうすると、洗剤の使用量が少なくて済み、汚れもすぐに落ちるので時短にもエコにもなります」
【洗濯の時短】
洗濯機の予約機能を活用するとともに優先順位をつける
平日は1日1回、休日は3回洗濯機を回すこともあるえいちゃんママさんですが、洗濯にももちろん時短のコツがあります。
「朝、起きたら仕上がっているよう、前日の夜に洗濯機の予約機能を使ってセットしておきます。あとは、細かいことですが、夫には脱いだままの裏返しの状態で衣類を入れないようにしてもらっていますね」
保育園に通うお子さんは1日2回の着替えを必要とするため、とにかく子ども用の衣類を早く乾かす必要があります。子どもの洗濯物を優先して洗い、なるべく外に干すようにしているそうです。
「子どもの肌が弱いこともあって低刺激性の洗濯洗剤を使っているんですが、実はこれがちょっと高価。夫には必要がないので遠慮なく分けさせてもらっています(笑)。でも夫の洗濯物を事前に分けておくことも、結果として時短につながっているかもしれません」
休日に洗濯する場合は、入浴しているあいだなど、何か別のことをしているときに行うとのこと。さらに、洗濯物の“かさ”を減らすため、大人はバスタオルを使用していないといいます。
【掃除の時短】
「ついで掃除」で休日の掃除がぐーんとラクに!
「まとめて掃除をするのは大変だし、苦手」というえいちゃんママさん。面倒になってしまう前に、こまめに掃除をしています。料理をした後、トイレを使った後、洗面台を使った後……。何かのついでに掃除をしておくことで休日の掃除が最小限で済むよう心掛けているそうです。そんな「ついで掃除」のときに役立つのは、100均で購入しているペーパータオル。市販のアルコール剤をスプレーして拭くなど、汚れが気になったらちょこちょこ掃除しています。
「日々の掃除をラクにするために、ホコリが溜まりやすいテレビまわりや写真立てなどは柔軟剤を水で薄めたもので拭いておき、静電気を抑えるようにしています」
水まわりの掃除には、水だけで汚れが落ちるメラミンスポンジを使っているそう。洗剤不要でどこにでも使えるうえ、汚れがとにかくよく落ちるので時短にもなり、気に入っているといいます。“掃除機がけ”はご主人に任せることが多いそうで、うまく役割分担ができているようです。
ミニサイズのカゴや食品保存用ポリ袋をフル活用
“冷蔵庫掃除”の時短のコツは? とうかがったところ、「100均で売っているミニサイズのカゴがちょうどいい」とのお答え。小さいカゴに細かい物を入れるようにして整理しておけば、中身が一目瞭然になるのはもちろん、掃除の際に手早くゴミを取り除くことができるので便利だそうです。
ご家族で外出するときには、食品保存用ポリ袋を持ち歩くようにしてゴミを入れられるようにし、時短だけでなく環境にも気を遣っています。
【収納の時短】
ここまで買い物、料理、食器洗い、洗濯、そして掃除の時短アイデアを取り上げてきましたが、最後にご紹介するのは、暮らしにぜひ取り入れたい収納術の知恵。精神保健福祉士として働くえいちゃんママさんにとって、片付けはいわば「得意ジャンル」といえそうです。効率よく収納する時短アイデアを、大きく3つに分けてご紹介します。
リビング・洗面所
自身とご主人、お子さんの物、と家族ごとに分けて衣類を収納しているえいちゃんママさんですが、ハンカチなどの小物は仕切り板を利用して、誰のものかすぐにわかるようにレイアウトし、使いやすいようにしています。1年着ない物や使わない物は「思い切って断捨離」するとのこと。物が増えすぎると片付かないので、洗剤などは買い溜めしすぎてストックが増えないように気を付けているそうです。整理用にカゴを使い、1つのカゴに収まる分だけ収納することが大事だといいます。
タオル類はフェイスタオル、バスタオルなど大きさごとに分け、家族が使いやすいよう収納しています。さらに、ストックを入れ替えやすいように配慮しているのもポイント。たたんで平積みし、一段使用したら新たな一段に、と簡単に入れ替えができるようにしてあります。
「でも本当は、家庭より職場のほうが収納面では気を遣っているかもしれません(笑)」と漏らすえいちゃんママさんですが、整然としたリビングや洗面所を見れば、その使いやすさは一目でわかります。
キッチン
えいちゃんママさんは、カゴに入れて各種1本ずつしか調味料を用意していません。すぐに取り出せるようにするためです。カテゴリーごとに整理して、よく使うものは下のほうに、使用していないラップやアルミホイル、調味料のストックなどは上のほうに収納しています。お鍋は同じブランドのものに統一。スタッキングできるようにしており、コンパクトに整理することで使いたいものがすぐに取り出せるように配置しています。
「器はカレーにもパスタにも使えるものなど、なるべく万能に使えるお皿を選んでいます。大皿も2~3枚ぐらいしかありません。スープ皿、どんぶり、魚料理用の皿、深皿、パンやケーキ用の皿など、各種アイテムを必要最低限そろえてあるといった感じです」
時短のためには、「物を増やさず、ごちゃごちゃしないようにすることが重要」と教えていただきました。
玄関
「靴は場所をとるので、なるべくたくさん購入しないようにしている」というえいちゃんママさん。玄関に出す靴は家族ひとりにつき、1足にしています。オフシーズンのブーツなどは買ったときの箱を保管しておくそう。
「箱にはサイズが書かれていたり、写真で中身がわかるようになっていたりするので、そこにそのまま収納するようにしておけば、季節ごとの入れ替えも手早くラクにできます」
すべてのことに全力投球せず、適度に手抜きを!
暮らしにまつわる数々の時短アイデアを伝授してくれたえいちゃんママさんに、子育てとお仕事を両立するうえで心掛けていることをうかがったところ、こんなお答えが。
「すべてのことに対して全力だと疲れてしまうので、程々にするのがちょうどいいと思うんです。『いいお母さんでいよう』と思いすぎないようにしています。あとは、一人でカフェに行ってお茶を楽しんだりして、育児や仕事のことを忘れる時間を意図的に作り出していますね」
お子さんを保育園に預けていることを「かわいそう」だとは思わないようにしている、えいちゃんママさん。お子さんと離れる時間は、自身にとってもリフレッシュになるし、子どもは子どもで家庭以外での立場や他者とのかかわりについて学んでくれるといいます。
「子育てが大変なのは、ほんの一時期なのではないかと思っているんですよ。女性にとって、子育てをしながら働くことは生きがいになると考えています。自分が仕事を持っているおかげで夫にも感謝の気持ちを持てますしね」
えいちゃんママさんの一日のスケジュール
まとめ
「職場に育児への理解をしてもらうため、つねに謙虚な姿勢と周囲の人への感謝の気持ちを忘れないようにしている」と話すえいちゃんママさん。女性が多い職場で管理職にもなった今、「後輩が産休や育休を取りやすくなるよう、自分がお手本になりたい」と意気込みを語ってくれました。
「子どもを持っても仕事を続けたい」と頑張るワーママたち。家事に育児、そして仕事を頑張りながら、自分の時間も大切にできるワーママが増えれば素敵ですね。みなさんも時短アイデアを生かして、毎日を笑顔で過ごせるようにしませんか?